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小ロットに強い、カバー帯かけまでの全自動ラインとは

加藤製本と西岡製作所が共同開発した新型機の実力

これまで、丁合機からバインダー、三方断裁にいたるラインの切り替えは自動化され、製本作業の効率化が図られてきました。

ただ、残念なことにカバー・帯を掛ける機械(トライオート)が自動化されていなかったため、ペーパーバックスタイルの品物しか、効率よく生産することができませんでした。

このため、例えば300部の本を作る場合、カバー・帯を掛けて出荷するとなると、生産時間よりも機械の切り替え時間の方が長くなり、慣れている作業者が手掛けした方がかえって効率が良い、ということが起こっていたわけです。これでは小ロットの時代にふさわしい生産のあるべき姿とはいえません。

このことはちょうど、高速道路を走っている車が料金所の5㎞手前で渋滞に巻き込まれ、1時間で行けると思っていた道のりが1時間半かかったということと似ています。つまりこの料金所に相当するボトルネックがカバー・帯掛け作業だったというわけです。

製本というと通常、バインダーのような大型の主力機が注目されがちで、トライオートという “隠れた非効率さ” に目が向けられるということはあまりなく、ましてやこれを真剣に解消しようという試みはありませんでした。

それならば自分たちがこの解消に挑戦しよう。それがすべての始まりでした。そして、トライオートの製造元である西岡製作所に働きかけ、およそ1年のもの間、実験や試行錯誤を繰り返し、新たなトライオートの誕生にいたりました。

いまでは、かつてオペレータが手動で切り替えていた15か所をすべて自動で、しかも同時に切り替えることができ、セット替え時間が最大1/10にまで短縮されました(弊社比)。実際に見学に訪れたある大手出版社のベテラン社員の方は実際に腕時計で時間を計測し、カップラーメンができるより早く機械の切り替え作業が終わってしまったことに「えーっ!もう終わったの?」と驚かれたようす。弊社の担当が「この機械はメモリー機能もあり、一度行った作業を記憶できますので、2回目以降はもっと早くできます」と説明するとさらに驚かれたようでした。

このトライオートの特徴はこれだけではありません。今回、丁合から始まる前工程と連結され、すべて自動で切り替えができる初めての一貫製本ラインにもなりました。このほか、投げ込みは売上カード以外に4丁できます。さらに160mmまでの幅広の帯にも対応できます。この機械に興味のある方は弊社にご一報いただければご案内いたします。

また、9月11日に開かれるIGAS2015(国際印刷総合機材展、於:東京ビックサイト)で、初めて一般に公開されます。

加藤 隆之