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第153回 芥川賞・直木賞の贈呈式のリアルな風景3

今回は懇親パーティーで振る舞われる料理について書きます。

この賞にまつわる特別なメニーはありません。パーティー料理です。ただし、ここ帝国ホテル。吉兆、なだ万などの名店がその場で調理して提供してくれます。

一番人気はなんといっても鮨です。これは東京會舘の時もそうでした(ちなみに東京會舘の名物はカレーライスです)。職人さんたちも大忙し。うまく説明できませんが、私の舌が記憶している一流の職人さんが握る味がしっかりと確認できました。続いて食したのは、その場で揚げる天ぷら。揚げたてを焦ってすぐに食べてはいけません。そんなことをすると、熱くて味もわからぬままハフハフしてしまい、「あいつ、やっちまったな」と思われてしまいます。ましてやここは格調高き帝国ホテル、ハフハフ君に成り下がった姿をそう簡単にさらすわけにもいきません。

さて、この天ぷら、衣を大きくして立派に見せるような天ぷらとはちがいます。素材のうまみを閉じ込める程度の薄い衣です。塩でいただきました。この塩が・・・ズバリ芥川賞ものです。塩がこの世で主役になれるのは、歯茎を引き締める時ぐらいだろうと思っていた自分が愚かでした。この塩があればたいていの人は料理名人になれそうな? ほどです。

この他に頂いたのはフカヒレ入り中華そば、北京ダック、熊本産黒毛和牛のホホ肉を黒酢で味付けしたもの。個人的にはこの黒毛和牛が3つ星です。酢といえば豚とばかり思っていましたが、私のなかにこの日、 酢豚<酢牛 という新たな法則が加わりました。腕に自信のある方はトライしてみてください。

最後の〆は讃岐うどんで。囲み取材を受けている又吉さん、胴上げされている羽田さんを見ながらという、不思議な讃岐うどんをいただく贈呈式ならではの光景でした。

(終)

加藤 隆之

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